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夢は小説家。そう言ったのはいつだったろう


by hikot6
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覚醒

~覚醒~オリジナルストーリー

黒く長い影が、沈みかけた日を浴びて一瞬揺らいだ。
通り過ぎたベンチには、背中の曲がった老人が一人。
よく鍛えられたカモシカのような足を、惜しげもなく見せ付けるように、
女は仁王立ちで立ち止まると、ベンチに座った老人に声をかけた。
「いつから?」
老人は答える代わりに、杖を勢い良く女の足めがけて叩きつける。
女は地面を一蹴りして、ゆっくりと孤を描いて同じ位置に舞うように戻った。
「かなわんな・・・」
老人の座っていたベンチに、既に老人は居なかった。
かわりに、黒いタイトなスーツに身を包んだ、長身の男が老人が振りかざした杖を持って立っている。
男の顔には皮肉とあざけりの顔が満ち、女の顔にはイラついた顔が揺らいでいた。
by hikot6 | 2007-05-23 23:02